一目惚れだった。優しい笑顔、迷いのない瞳。友達思いで、かっこよくて、優しくて、頼りになる。寝顔が可愛かったり、意外に照れ屋だったり。すごく素敵な人だと思った。隼人くんのことを知れば知るほど好きになった。そしていつからかずっと夢見てた。隼人くんの横を歩くこと。ただのクラスメートを卒業して隼人くんの彼女になりたい。そうずっと思っていた。隼人くんはあたしのことなんてクラスメートのひとりとしか見てないことだって知ってた。だけど、告白はもちろん。話しかけることすらためらいがある。好きだから、嫌われたくない。だから下手に話しかけて失敗とかしたくない。隼人くんが話しかけてくれても上手く話すこともできない。あたしのこといっぱい知ってほしいけど、無理なんだよ。


ー」「え、隼人くん!?」「今日放課後時間ある?」「え、うん」「じゃあ話しあるから、放課後教室で待ってて」


隼人くんが話しかけてくれた。隼人くんと話すのは3日振りだったから嬉しい。だけど、話しってなんだろう・・・。でも放課後も隼人くんと会える、話せる。そう思うとすごく幸せな気分だった。だけど、その反面なんだかたくさんの不安があって怖くなったりして。どうしよう、そんなことばかり考えてばかりで昼からの授業は何も頭に入らなかった。放課後、親友のが今日遊ぼうって誘ってくれたけど、隼人くんとの約束があったから、嬉しかったけど丁寧に断った。「隼人くんが話しがあるんだって・・・」そうの耳元で小さく言うと笑顔で「よかったじゃん!」と言ってくれた。の笑顔を見るとこっちまで笑顔になる。だけど、やっぱり不安で一杯だったからそのことを言ったらが「明日一緒に帰ろう。話し聞くからさっ」って笑顔で言ってくれたから少しだけ不安が消えた。 を玄関まで送ったあと急いで教室まで戻った。隼人くんを待たせたくない。その一心で。教室についてのドアをゆっくり開けたら教室には誰もいなくて安心した。ふと外を見ると、グラウンドでは野球部が練習してる。隼人くんの友達の山本くんがいた。・・・かっこいい。でもやっぱり隼人くんが一番かっこいい。そんなことを思っていたら、ドアがガラガラと開く音がした。ばっと後ろを振り向いた。隼人くんだった。


「あ、」「は、はい!」「待たせてごめん」「大丈夫だよ、野球部の練習見てたから」「・・・あ、山本こけてる」「うそ!?大丈夫かなあ・・・」「・・・」「あ、隼人くん話って・・・?」「って山本が好きなの?」「え・・・好きな人はいるけど、山本くんじゃない」「誰」「・・・」「俺はが好きなんだけど」「・・・えッ?」「俺、がずっと好きだった。頑張ってる姿、いつも見てた。一生懸命なところ、笑ったときの声、友達思いなところ、何でも最後までやり通すところ、綺麗な字、優しい瞳。と会ってから俺はお前しか見えなかった。」「う、そ」「嘘じゃねぇ」「・・・き」「え?」「あたしも、隼人くんがすき・・・」「本当か!?」「・・・うん」「でも、話しかけても気持ちがどっかいってたし、信じられねぇ・・・」「・・・緊張してただけだよ」「・・・」「なんかいってよ・・・」「・・・俺、今世界で一番幸せかも」「・・・!あたし、も」


視界が急に暗くなったと思ったら、暖かいものが唇に触れた。隼人くんの唇だ。顔を真っ赤にして視線を逸らす隼人くんがいつも以上に愛しく見えて、無意識のうちにあたしは隼人くんを抱きしめていた。最初は隼人くんはもちろん。こんな行動をした自分もびっくりしていたけど、隼人くんがゆっくりと抱きしめ返してくれたからなんだか幸せな気分になった。照れた顔、形のいい唇。広い背中。隼人くんの好きなところが増えた瞬間だった。



君だけを見ていた


ずっと夢見てた。憧れの隼人くんの横を歩くこと。それが出来ている今、隼人くんが言ってたようにあたしは世界で一番の幸せものだよ。


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