初めての彼氏と初めてのデート。目的地はないけれど、手を繋いで、一緒に歩いたり、話したり。想像していたデートとは違ったけど、あたしはツナと一緒に長い時間居れるだけで幸せで仕方が無くて。他愛の無い話で盛り上がって。ツナといるとあたしは常に笑顔でいられる。幸せな時間は刻々と過ぎていった。午後6時を回ったころ、「そろそろ暗くなったから帰ろう」とツナが言った。長い時間一緒に居たからあたしはちょっと、いや大分寂しかったけど、小さく頷いて帰ることにした。座っていたベンチから立ち上がって、あたしたちは手を繋いで、来た道を戻っていった。ツナの家の前に着いたとき、ここでお別れだーと思っていたのに、ツナの足は止まることなく進み続ける。「あれ?」とあたしが言うとツナは足を止めて「どうしたの?」と言った。あたしは「ここツナの家でしょ?」と言うとツナは笑顔で「のことが心配だから送ってく」と優しく言った。その優しい声にあたしは何も言えずに、ただ繋いでいる手を強く握りしめた。ツナの家とあたしの家は結構離れていて、遠回りすることになるのにツナは家まで送ってくれた。それだけなんだけど、あたしにとってはものすごく嬉しくて。繋いだ手を離したくなくなるくらいツナが愛おしく感じた。



「ツナ、今日はありがとう!すごく楽しかった!」「俺も楽しかった!」「うん!」「また明日学校で!」「・・・明日まで会えないのかあ」「え?」「あ、いや、何でもない!」



つい本音が漏れた。こんなこと言ってもツナが迷惑するだけなのはわかってるのに。



「・・・俺も、明日まで会えないの寂しいよ」「・・・え?」「今日ずっと一緒に居てすごく楽しくて」「う、ん」「本当はまだ帰りたくなかったし・・・」「!」「でもの親も心配するだろうし」「うん・・・」「でも俺らはまだ始まったばっかりで、これからもずっと一緒なんだから時間はいっぱいあるからさ!」「・・・!」「ある、よね?」「うん・・・!」「・・・あ、明日の朝迎えにくるから一緒に学校行こう?」「うん、待ってるね!」「じゃあ、また明日!」「うん、また明日ね!」


そう言い、あたしは自らツナの手と自分の手を離した。手が離れた瞬間すごく寂しい気持ちになったけど、ツナの笑顔がそんな気持ちを吹き飛ばしてくれた。
少ししてもツナは自宅へ帰ろうとしないからどうしたのかと思って、少し俯いているツナの顔を覗き込むと、急に手を引っ張られ抱きしめられた。慌てて離れようとするがツナは思っていたより力があって離してくれなかった。あきらめて抱きしめられたままでいるとツナがあたしの耳元で小さく呟いた。


「キス、していい?」「・・・えっ!?」「ごめん、やっぱ俺我慢できない」「・・・ツ、ナ」


ツナの顔がどんどん近づいてきて、ぎゅっと目を瞑った。一瞬だけ触れた唇と唇。本当に一瞬だったから、よくわからなかったけど、なんだか暖かかくて、優しかった。


「・・・・・・ごめん」「何で謝るの…?」「だって、」「急でビックリしたけど・・・なんか嬉しかった、よ」「・・・!」「えへへ!」「・・・やばい」「え?」「俺、のこと好きすぎる…」「…!あたしも!」「…」「えへへっ!じゃあ、そろそろばいばい!」「じゃあ、また明日!」



ツナが見えなくなるまで家の前で手を振り続けた。ツナが角を曲がって姿が見えなくなって少ししてから玄関を開けて家に入った。自室に戻ってベットに腰を下ろしたら急に恥ずかしくなって、あたしは一人で顔を赤らめた。






初めての彼氏と初めてのデート、そして初めてのキス。ツナを好きな気持ちが溢れ出して止まらなくて、ドキドキが止まらなくて、その夜は一睡も出来なかった。




眠れないのはのせい




(あああ!あたしはツナが好きすぎる!)







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